タイで在庫拠点を検討する際、「FTZを使うべきか」という問いから入るケースが多くあります。しかし実務上は、制度名から決めるより先に、自社の在庫構造・国内販売比率・再輸出の可能性・在庫保管期間を整理した上で比較する方が、判断を誤りにくくなります。
このページでは「どの在庫拠点が自社に合うか」を判断するための3つの軸と、具体的な選択基準を解説します。
以下に当てはまる企業は、まず通常倉庫から始めることを推奨します。
タイ国内販売が中心で再輸出を当面想定していない
物量がまだ小さくFZ運用の管理コストが見合わない
まずは早く立ち上げたい
在庫保管期間が短く回転が速い
オペレーションをシンプルに保ちたい
「通常倉庫だけでは足りないが、いきなりFZまでは重い」という場合に検討価値があります。
向いているケース:
将来の再輸出可能性はあるが現時点では未確定
国内販売と輸出向けが混在する可能性がある
FZ申請の前に段階的に整理したい
本格拡張前の中間的な対応が必要
注意点:保税は「何でも解決する万能策」ではありません。倉庫事業者側の対応力・制度理解・現場運用との整合が必要です。
以下に当てはまる場合は、通常倉庫・保税との比較を今すぐ始めることを推奨します。
将来のASEAN展開・再輸出を強く視野に入れている
在庫保有期間が長く関税・VATの先行負担が重い
国内販売と再輸出の両方が発生する・または発生する可能性がある
ラベリング・仕分け・キッティングをタイで行いたい
在庫構造を「後でやり直したくない」
高単価商材で在庫戦略の影響が大きい
FZを早めに比較するメリット: 将来の構造変更コストを抑えられる・本社説明で中長期構想を描きやすい・再輸出余地を残しやすい。
以下の順番で考えると整理しやすくなります。
STEP1:タイ国内販売のみで再輸出は全く想定しないか? → YES:通常倉庫から始める → NO:STEP2へ
STEP2:物量・在庫保管期間・関税負担を考慮してFZ効果が出るか? → 効果が出そう:FZを優先的に検討 → 判断が難しい:保税も含めて3択で比較
STEP3:今すぐ構造を決める必要があるか? → YES:現時点の最適解で進める → NO:将来の拡張性を見越してFZを比較してから判断
MONでは、制度名から決めるのではなく、以下の論点を整理した上で最適な在庫拠点を提案します。
初期段階で確認する主な項目:
取扱商材・温度管理の要否
タイ国内販売比率・将来の再輸出可能性
月間物量・在庫保管期間・出荷頻度
SKU数・出荷単位(パレット/ケース/小口)
配送先エリア・配送頻度
ラベリング・仕分け等の付加価値作業の要否
関税・VAT負担の現状と改善余地
「FTZが良いと聞いたが、自社に本当に必要か分からない」
「まずは通常倉庫で十分か確認したい」
「保税が中間的な選択肢になるか検討したい」
「今はタイ国内販売中心だが、将来の再輸出も残したい」
「在庫が増えそうなので、先に構造だけ整理したい」
「本社説明用に比較の軸を整理したい」
まだ詳細が決まっていない段階でも問題ありません。むしろ早い段階でご相談いただく方が、後戻りが少なくなります。