タイで在庫拠点・物流体制を構築する際、「まず倉庫を探して、配送は後で考える」という進め方をすると、後から大きな修正コストが発生するケースがあります。在庫拠点の選択(通常倉庫・保税・FZ)と配送導線の設計は、一体で考えることで初めて最適化できます。
このページでは、FZ活用を含めた物流設計の考え方と、MONが初期段階で整理する論点を解説します。
タイでの物流設計でよくある失敗パターンは以下の通りです。
要素①:在庫拠点の選択(通常倉庫・保税・FZ) どこに在庫を置くかは、関税・VAT負担のタイミング・再輸出の柔軟性・キャッシュフローに直結します。この選択は配送導線・物量・販売先が決まって初めて正確な比較ができます。
要素②:在庫の持ち方(量・回転・SKU) 在庫をどれくらい・どのように持つかによって、必要な倉庫規模・入出庫オペレーション・在庫管理の複雑さが変わります。回転が速い商材と遅い商材では、最適な拠点が異なります。
要素③:出荷単位と頻度 パレット単位でまとめて出荷するのか、ケース・小口で高頻度出荷するのかによって、倉庫内オペレーション・配送コスト・車両の種類が変わります。小ロット多頻度出荷は、倉庫の作業コストと配送コストの両方に影響します。
要素④:配送導線(納品先・エリア・時間条件) 倉庫の立地は配送コストに直結します。納品先がバンコク集中なのか・地方なのか・ASEAN各国なのかによって、最適な倉庫立地が変わります。また納品時間指定・受入条件も配送設計に影響します。
要素⑤:付加価値オペレーション(ラベリング・仕分け・キッティング) タイで輸入品のラベル貼り替え・仕分け・セット組みを行う場合、どこで行うかによってコストと柔軟性が変わります。FZ内での付加価値オペレーションは再輸出との組み合わせで特に効果的です。
FZを単なる「在庫置き場」として使うだけでなく、物流設計全体と組み合わせることで効果が最大化されます。
ケース①:輸入→FZ保管→タイ国内販売+ASEAN再輸出 一括輸入した商品をFZに保管し、タイ国内の需要に応じて国内販売用と再輸出用に柔軟に振り分ける。関税・VATは国内販売分のみ、出荷時点で支払う。
ケース②:FZ内で付加価値作業→各国向けに仕分け出荷 輸入品をFZ内でラベリング・仕分け・キッティングした上で、タイ国内および周辺国へ出荷。製品の最終仕様を市場ごとに変えながら、在庫は共通で持つことができる。
ケース③:部材・補修部品の地域ハブ化 製造部材・機械補修部品をFZに集約し、タイ国内の製造拠点や周辺国のサービス拠点へ随時出荷。在庫回転が遅い部材ほど、FZでの関税猶予効果が大きくなる。
ケース④:通常倉庫とFZの使い分け 全ての在庫をFZに入れる必要はありません。回転が速く国内販売のみの商材は通常倉庫、回転が遅く再輸出可能性がある商材はFZというように、商材特性に応じて使い分けることが最も効率的なケースがあります。
物流コストの比較では、倉庫保管費・配送費だけを見がちですが、実務上は以下のコストが重くなるケースがあります。
MONでは以下の論点を初期段階で整理し、在庫拠点・物流導線・FZ活用の最適な組み合わせを提案します。
商材・在庫の論点:
商材カテゴリ・温度管理の要否
月間物量・在庫保管期間・在庫回転
SKU数・出荷単位(パレット/ケース/小口)
賞味期限・ロット管理の要否
販売・配送の論点:
タイ国内販売比率・将来の再輸出可能性
納品先エリア・配送頻度・時間指定条件
B2B配送か店舗直接配送か
バンコク市内・近郊・地方・ASEAN各国への配送の有無
コスト・スキームの論点:
現在の物流コスト構造と改善余地
関税・VAT負担のタイミングと改善の可能性
FZと通常倉庫・保税の比較
倉庫と配送の一体管理か分離かの判断
MONは自社保有の倉庫・土地をFZとして申請し、2025年6月に稼働開始予定です。FZ施設と物流設計支援を一体で提供できる体制を整えています。
稼働開始時点で実際にFZを活用できる状態にするには、設計・承認・準備で最低6ヶ月が必要です。現在からご相談を開始いただくことを推奨します。
「タイに在庫拠点を作りたいが、どこから考えればいいか分からない」
「現在の倉庫と配送の構造を一体で見直したい」
「FZを使うべきか、通常倉庫で十分か判断したい」
「物量が増えてきたので物流コストを構造的に下げたい」
「ASEAN各国への供給体制をタイから構築したい」
「本社説明用に物流設計の全体像を整理したい」
まだ詳細が決まっていない段階でも問題ありません。